自動車免許を短期間で取得できる「合宿免許」は、学生を中心に毎年多くの人が利用する人気の取得方法です。旅行気分で友達と一緒に参加できることや、費用が比較的安く抑えられる点が魅力ですが、気をつけなければならないルールやマナーもあります。その中でも意外と見落とされがちなのが「飲酒」に関するルールです。

今回は、「合宿免許中の飲酒」に関する基本的なルールや注意点、違反した場合のリスクについて詳しくご紹介します。

合宿免許とは？

まず簡単に合宿免許についておさらいしておきましょう。合宿免許とは、地方の教習所に宿泊しながら集中的に教習を受けるスタイルの免許取得方法です。通常、普通自動車免許（AT）の場合は最短で約2週間、MTの場合は約16日で取得可能です。

合宿中は、教習所が提携している宿舎（寮、ホテル、旅館など）に滞在しながら、1日に複数コマの学科・技能教習を受けていきます。時間と費用を効率的に使える一方で、生活リズムや行動にも一定の制限があります。

合宿免許中に飲酒してもいいの？

結論から言うと、「合宿免許中の飲酒は禁止」されている場合がほとんどです。理由はいくつかありますが、主なものは以下の通りです。

1.飲酒運転のリスク

合宿免許では、毎日のように車を運転します。アルコールが体内に残った状態で運転すると、たとえ本人に自覚がなくても「酒気帯び運転」になる可能性があります。これは法律違反であるだけでなく、教習所の退校処分の対象にもなり得ます。

また、アルコールは体質や量、飲んだ時間によって分解にかかる時間が異なるため、「昨日の夜に少しだけ飲んだ」というレベルでも、翌日の教習に影響することがあります。

2. 教習所の規則違反

ほとんどの教習所では、校則・宿舎規則で明確に「飲酒禁止」と定めています。教習所によっては、飲酒した場合に即退校処分とする厳しい規則を設けている場合もあります。

また、規則違反が発覚した場合、交通費なども自己負担での帰宅を求められ、教習料金の返金もされないケースがほとんどです。実際に、SNSなどでも「飲酒して即退校になった」という体験談が見られます。

3. 他の受講者への影響

合宿免許は共同生活が基本です。宿舎によっては相部屋での滞在もあります。そこで飲酒をしてしまうと、他の受講者への迷惑になる可能性があります。においや騒音、体調不良など、周囲とのトラブルの火種になりかねません。

実際にあったトラブル事例

● ケース1：夜に飲み会を開いて退校処分

大学の友人同士で合宿免許に参加していたグループが、宿舎の自室でお酒を持ち込み飲み会を開催。翌日、アルコール検知で酒気帯びが判明し、全員退校処分に。数十万円の費用が無駄になり、再び自宅の教習所に通い直す羽目に。

● ケース2：飲酒して事故寸前

教習所の規則で「飲酒禁止」が明記されていたにもかかわらず、夕食後に缶ビールを1本飲んだ受講者が、翌朝の教習で反応が鈍くなり、教官から「様子がおかしい」と指摘される。事情を聴かれて飲酒が発覚し、教習停止処分。

飲酒したくなる気持ちは分かるけど…

合宿免許は、多くの若者にとって「ちょっとした旅行」のように感じられるイベントでもあります。特に友人と一緒に参加すると、夕食後のリラックスタイムについお酒を飲みたくなる気持ちは理解できます。

しかし、合宿免許中は「教習を受ける立場」であり、「常に車を運転する可能性がある状況」であることを忘れてはいけません。お酒は教習が全て終わって、自宅に戻ったあとでゆっくり楽しみましょう。

飲酒以外にも注意すべき行動

飲酒と同様に、合宿免許中に気をつけるべき行動は他にもあります。

• 門限違反
  多くの宿舎には門限があります。門限を破ると指導対象になります。
• 無断外出・外泊
  外泊は禁止されているケースが多く、無断での外泊や外出もトラブルのもと。
• 騒音トラブル
  夜間の騒音は他の受講生の迷惑になるため注意が必要です。
• 喫煙マナー
  未成年の喫煙はもちろん、喫煙エリア以外での喫煙も問題になります。

まとめ：合宿免許中の飲酒は絶対に避けよう

合宿免許は短期間で免許を取得できる便利な制度ですが、その分スケジュールがタイトで規則も厳しくなっています。飲酒は健康面・安全面・ルールの面から見ても、合宿期間中は絶対に避けるべき行為です。

「少しぐらいなら大丈夫」という油断が、免許取得のチャンスを台無しにすることも。合宿免許に参加する際は、自分自身の行動に責任を持ち、ルールをしっかり守って過ごしましょう。

教習が終わったその日まで、我慢する価値は十分にありますよ！

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